営業力強化策、営業力強化の為に、自社でできることがまだまだあるのでは? 本プログラムでは営業プロセスを行動、確度、受注単価の3つに分け、具体的な営業力強化の方法を解説。短期的な成果につながる方法をこっそり教えます。
近年、経済情勢の変化に伴い営業力強化が多くの事業所で話題に上がる。特に営業担当者の能力のバラツキ、新入社員の早期戦力化、管理職のマネジメント力強化が課題となっている。言い換えれば環境変化が速い中で、経験や勘に頼らない客観的で合理的な営業管理(マネジメント)が必要とされている。本プログラムは営業力強化策、営業力強化の方法として、標準化と可視化(見える化)を合言葉に、行動、確度、受注単価の3つに分け、それぞれの数値を改善していく具体的な方法を実行します。営業担当者の能力のバラツキ、新入社員の早期戦力化、管理職のマネジメント力強化に対して、短期的な成果につなげる。
目次
- 0. 序論
有りがちな状況、 外部環境の変化、営業力とは?、営業力チェックシート
- 1. 営業力強化の方向性
営業部長の悩み、営業力強化は標準化&可視化から始まる、 製造業と販売業との違い、 営業力強化の方向性、 営業力強化策の順序
- 2. 営業の活動量を高める
営業活動量の可視化のススメ、営業の業務改善事例
- 3. 営業管理(マネジメント)の充実
営業管理・マネジメントの要点、営業管理における行動と係数とは?、行動管理の具体策、営業プロセスの可視化、売上方程式の例、運用&管理職の育成、課題検討表
- 4. 営業の仕組み作り
営業の類型、提案力強化策、提案力強化策の要点、営業計画の作り方
- 5. 経営Vision & 戦略
営業戦略&演習
0. 営業力強化 序論
0.1 営業力に関する良くある悩み
コンサルタントをやっていると以下のような話をよく聞く。 「忙しそうにしているが注文は取れない」「優秀なのは一部の営業担当だけ」「若手が育たない」 「研修をやっているのに…」皆、納得できる内容である。一部の経営者が困っている問題ではなく、 多くの経営者が営業力強化策に困っている状況となると、外部環境の変化に原因がありそうだ。
- 忙しそうにしているが注文は取れない
- 優秀なのは一部の営業担当だけ
- 若手が育たない
- 研修をやっているのに・・・
0.2 外部環境の変化
外部環境の変化により競争激化
日本経済の状況を概観してみると、1960年代には平均約10%あった成長率が、1990年代以降は平均1.0%程度に低下している。
日本全体の市場が年率 1%でしか成長しない。所謂、成熟化社会が到来している。
このような状況で利益が出にくい状況になっているのが数値として把握できるであろう。
利益が出にくい状況
市場が拡大していない場合、ある会社の売上増加は競合他社の売上低下を意味している。
例えば、売上規模100億の市場で、A社が50億、B社が30億、C社が20億だったとする。市場が拡大している際には A社 75億、B社45億、C社 30億のように全ての参加者が売上増加を図ることができる。
市場が拡大していない成熟期には、A社の売上が60億に伸びたとすると、B社、C社の両方又はいずれかの売上が下がるほかない。
これが競争激化の原因である。
競争が激化すると、利幅が圧迫される。差別化や丁寧な管理で薄い利益を逃さない取り組みが必要となる。
差別化と管理(マネジメント)が一つの焦点に
商材があれば売れた時代は終わり、差別化、営業力の時代が到来。
「情報が溢れる中、商材の価値を如何に伝えるか」これは将に営業力強化が課題であるということであろう。
0-3. 営業力とは?
商材が売れる為には商品力と営業力が必要であると考える。
商品力
商品力は商品そのものの魅力を意味し、機能、差別化、価格であったりする。
成熟市場においては商品の機能や原価には殆ど違いがない。コモディティ化、生産技術の進歩による低価格化が避けられない
差別化は常に顧客に評価されるものである。従って、短期的に成果を上げることは難しい。企業努力の積み重ねとして商品企画力を磨く必要がある。企画した商品が100%ヒットするとは考えづらい。恒常的な試行錯誤が重要。
営業力
一方、営業力は顧客へ商材の価値を伝える力と言える。これには伝え方や伝える内容、伝える場所・時機等が考えられる。
「情報が溢れる中、商材の価値を如何に伝えるか」これは将に営業力が課題であるということであろう。営業力アップは営業管理を徹底することによって行える。言い換えれば、自社の努力によって改善することができる。
自社の努力によって達成できる課題は、顧客の評価を必要とする課題に比べて短期間に成果を上げることができる。
このプログラムは営業力を強化することを目的としている。営業管理を改善することで短期的に確実な成果が上げられる。
0-4. 営業力チェックシート
下記に営業力チェックシートを掲載した。このシートはコンサルティングの現場で事業評価を行う際に利用するものである。軽い気持ちでやってみてほしい。
結果はどうだっただろうか。もしNo.6~No.15までの項目で、未整備の点があれば、 営業力を強化し、短期的に売上を改善できる可能性がある。
1. 営業力強化の方向性
1-1. 営業部長の悩み
ある調査によると、営業部長の悩みは以下のようであった。
営業部長300人が現在課題に感じている事(複数回答)
Q.営業担当者の能力がバラツいている 48%
Q.リーダー・次期管理職の育成が遅れている 44%
Q.管理職のマネジメント能力に差がある 34%
Q.新入社員の早期戦力化が課題だ 34%
Q.営業戦略や施策が不足している 21%
Q.知識・ノウハウの共有ができていない 15%
1-2. 標準化&可視化
課題は
営業担当者間、新入社員&ベテラン社員間の能力のバラツキ
マネジメント力強化
課題を端的に言うと
誰にでもできる – 標準化
誰にでもわかる – 可視化
という2点に集約される。
標準化
当たり前のことではあるが、個人の能力は測定方法が難しく、又、開発方法も簡単ではない。長期的な視野が必要となる。
個人の意欲も同様である。長期的な取り組みはしなければならないが、短期的な成果は難しい。
個人の能力開発に対して、短期的な成果を上げる方法は標準化である。能力ではなく、行動を良いやり方に合わせてしまうことである。
武道では「形」というものがあり、能力・精神は後からついてくると考える。
可視化
見えることで初めて対策が打てる。
PDCAの中で「A」の前提となるのが「C」。経験の少ない若手マネージャにとって、「C」が無ければ「A」を考えることは難しい。
定量的、客観的に結果を分析することで、予実差異への対策が打てる。
1-3. 営業力強化の様々な方策
営業力強化の方法には、前述の標準化、可視化等の仕組み作り以外にも
人員増強
意欲・能力向上
も考えることができる。
人員増強の留意点
採用によって営業担当者のマンパワーそのものを増加させる方法。
人材育成や能力標準化の仕組みが無い段階では、成果を出すまでに時間が掛かる。又、採用された人材の質によって成果がバラツクことが予想される。
生産性向上ではない為、社員の給与水準が上昇する訳ではない。社員の意欲には寄与しない。
意欲・能力向上の留意点
研修を行い、営業担当者の能力や意欲を向上させる。
長期的には行っていく必要のある課題だが、短期的な成果は難しい。
研修を受ける側によって成長する人としない人がいる。
そもそも、能力や意欲は捉えづらく、成果が見えにくい。
マネジメント強化
このプログラムの目的
行動と成果を定量的に把握するので短期的な成果が得やすい。
生産性(社員一人当りの粗利)向上するで、給与水準改善もできる。
能力のバラツキを優秀者に合わせる。
1-4. 製造業との違い
製造業: 入力と出力を見ながら、作業を改善する
製造業の改善は以下の方法で、管理対象と改善対象を決めて行う。
工程に入ってくる原材料・仕掛りと、工程から出ていく完成品が管理対象となる。
工程の作業を改善対象として、改善の結果を完成品で把握する。
営業は?
それでは営業プロセスはどうであろうか。管理対象と改善対象は何になるか。下記の図を参考に考えてみる。
管理対象 ?
改善対象 ?
1-4. 営業力強化の方向性
営業プロセス改善の場合は営業担当者の行動と結果を見る
営業活動が売上に繋がっている。即ち、営業担当者の行動が成果になる。
結果の管理だけでは不充分。実際に営業担当者が何をどれだけしているかが分からないと、改善に結びつけるのが難しい。
結果の管理だけでは遅い。結果は予実差異となって現れてくるが、その前に行動量が不足していればそもそも結果は出ない。
営業: 行動と結果を管理し、顧客への対応を改善する
行動の管理: ex, 電話件数、訪問件数、見積もり提出件数
結果の管理: 顧客心理の変化、受注
改善の対象: 顧客との接点を改善
管理の前提(管理されている状態とは?)
行動と結果のデータが定量的に取得できているか?
責任者がデータを把握しているか?
予実差異に対して対策を打てているか?
たまたま上手く行っている、経験的に上手く行っているではなく、客観的なデータとそれに基づく企業努力が必要。
1-5. 営業力強化の順序
会社が行う営業の仕組みづくり
営業管理、標準化
営業活動量を高める
|
営業戦略や商品企画等の上流工程は一旦決まれば効果は大きい一方で、効果が出るまでに時間が掛かる。逆に営業の活動量を増やす試みは上限はあるが効果は出やすい。又、営業マネジメントができていない段階では、商品企画の問題で売れないのか、活動量ややり方の問題であるかの区別がつきにくい。本プログラムでは効果の出やすい順、即ち営業の活動量を増やす、営業管理、標準化、会社が行う営業の仕組み作りの順に取り扱う。
2. 営業の活動量を高める
2-1. 営業活動量の可視化
経営者を含め会社全体の認識を変える
業務は実際のお金と同じ。経費は無駄遣いするなと言っているが、営業担当者が伝票を書いているのはO.Kか? 直接部門のムダは経費が掛かる上に売上も下げる為、間接部門に比べて2倍のロスとなる。
会社の仕事は、売り上げをつくる(受注&サービス)、改善(経費削減・効率化、粗利率向上)、リスク回避のいずれか。それ以外は原則として不要。不要な業務をなくすことが最速で効果が出る。
「自分が楽したい」と取られがちな為、部下から上司に不要な業務は言いにくい → 結果として不要な業務が増える(業務肥大化)。特にリスクに対してどの程度の対策が必要か判断できるのは経営者のみ。従ってリスク回避に関する業務の要不要は経営者が言う必要がある。
他部署へは頼みにくい。→ 経営者の指導力が必要。業務改善は一旦、バックオフィスで引き受けて、進めていった方が良い。多くの営業担当者は顧客心理の把握にたけているが、計数管理や業務改善には疎い。
実態把握・業務棚卸しを行う。
思い込みや勘に頼らず、改善を行うことが重要。経営者や管理職の勘に頼らず、誰にでも分かる管理であれば、仕事を他の人間が担うことができ、経営者や管理職が本来すべき仕事に注力できる。
客観的指標なので、営業担当者、他部署の社員の理解を得やすくなる。新任の管理職や役員等、社内でのリーダーシップに揺らぎがあったとしても、客観的指標であれば、メンバーの理解を得られる。
業務棚卸しの例は右の表を参考。
業務棚卸の例 | ||
アポ | 新規 | |
既存 | ||
訪問 | 御用聞き | |
提案 | ||
クロージング | ||
納品 | ||
… | ||
社内業務 | 受注関連 | 見積もり作成 |
提案書作成 | ||
… | ||
業務処理 | 伝票整理 | |
納品手配 | ||
受注処理 | ||
… | ||
その他 | 会議 | |
管理資料作成 |
日報を取る
最初は重点的にとる。慣れてきたら簡略化したもの。日報は基本的に管理の為のオーバーヘッド。少ない手間で把握できた方が良い。
ECRS. 最初は要らない業務を経営者が決定、思い切って廃止してしまう。これが最短で活動量を増やす営業力強化の方法。
他部門との境界線上の仕事は、バックオフィスが一旦引き受ける。
時間が掛かっているモノから着手
優秀者の活動量を基本に目標設定
設定された活動量に届いているか、最初は1週間に一度確認。慣れてきたら間隔を長くする。
目標未達成部署、未達成担当者へヒアリング。できない理由をつぶし、できる方法を考えさせる。
2-2. 営業業務改善例
まずは実態を把握する。
思い込みを排し、何にどれぐらいかけているのかを把握する。
仕組みの構築や顧客接点の改善よりも、行動量を変えることは効果が速く出る。
日報に業務量を記載させる。特に「その他」を作っておくと、「その他」が意外に多いかが分かる。即ち会社が把握していない業務が多いということを意味する。
下記はある会社で営業担当者の業務時間を集計したもの
改善の方向性
基本的に営業の役割は、顧客心理の管理と案件の進捗管理である。これ以外のことを営業に行わせる場合、売上が下がる。
商談 ・・・ 一般的に商談の時間は減らせないが、移動に時間が掛かっているのであれば、中間地点で会う、可能な範囲で電話で要件を済ませられないか等を考える。
処理・報告 ・・・ 本当に必要なのかを基に検討する。廃止又は他部署への移転を前提に検討する。報告は必要最小限とする。報告を受けた管理職がこれを見て何をするのか尋ねてみて、何もしないのだったら不要とみなす。他部署へ移転したものは時間が掛かるものから業務改善やシステム化を行う。
会議 ・・・ 社内でのコミュニケーションは必要だが、20%であれば週5日勤務として1日はまるまる会議に使っている計算である。必要なものだけ残す。
調整・その他 ・・・ 実態が不明であり、改善の余地が大きい。その他は、一回当たりの時間はあまり掛からないが頻度が高い業務が入っている可能性がある。
当然だが、時間がより多く費やされている業務の方が改善の効果は大きい。
参考: 製造業の稼働率の考え方
区分 | 詳細区分 | 内容 |
---|---|---|
主体作業 | ある作業に課せられた本来の目的作業 | |
付帯作業 | 準備・段取り・運搬 | |
余裕 | 管理余裕 | 設備の調整・修理等、不規則・偶発的に発生する非生産時間 。 伝票記入や運搬等、本来の作業とは無関係に発生する作業 |
人的余裕 | 人間の生理的欲求により必要となる時間。作業者の疲労回復のための時間。 |
※主体作業と付帯作業が稼働である。
3. 営業管理(マネジメント)の充実
3-1. 営業管理
管理とは予実差異へ対して実効ある対策を打つことである。
行動と結果のデータが定量的に取得できているか?
責任者がデータを把握しているか?
予実差異に対して対策を打てているか?
○ 上記3つをまず重点的に考える。
結果が見えるからこそ、改善ができる
総額のみで行動に結びつかない目標には意味が薄い。行動に結びついてこそ、結果を変えられる。従業員は通常、自分の行動に関係がない指示では動けない。
結果が直ぐに見えない努力は難しい。Ex, ダイエット。結果がなるべく早く見えることが改善に繋がる。
能力と言う抽象的なものを考えないこと。単に認識の違いになりがち。上司から部下へ「能力が低い」ことを指摘すれば、部下の意欲をそぐ。それよりも客観的且つ具体的な数値をどう変えて行けるかに注力する。
行動量の問題か、確度、平均単価の問題かを切り分ける
「売上 = 行動量 × 確度 × 受注単価」と捉え、まずは行動量の問題か、それ以外の問題かを切り分ける。
又、全行動量は「所要時間×回数」で、これが実際稼働時間(総労働時間-余裕時間)を超過することはできない。従って一つの行動プロセスの所要時間を短縮することを検討する。
一般社員・若手社員には行動の責任だけを追ってもらう。もし行動を結果に結び付け、改善を行っていける人材がいれば、管理職候補、或いは真のプロフェッショナルと言える。結果の責任を負わせても、打つ手立てがない為、上手く行かず、意欲低下をもたらすだけ。
行動とは?
例えば、① コンタクト → ② 関係構築 → ③ 差別化提案 → ④ 見積もり提示 → ⑤ 受注
ある営業プロセスの所要時間が長い場合には、短縮できないかを検討する。Ex, 電話で説明 → 電話・資料送付・電話 に変更する。
自社の営業方式、営業スタイルから適切に営業プロセスを定義する。
係数とは?
確度と受注単価
例えば、案件化率、見積もり提出率、成約率、平均受注額 等
経営者・管理職で施策を考え、個別の数値を上昇させることを考える。
3-2. 行動と係数
行動と係数を管理する
例:
例えば、営業担当者数8名、月間目標受注額=5000万円、平均受注単価=200万円のある会社
その会社の営業プロセスを簡潔に分解すると、(1) 初回面談(1.5時間)→ (2) ヒアリング(2時間) → (3) 提案・見積り(2時間) → (4) 受注(1時間) 、という4つ
初回面談からヒアリングに至る「案件化率」=20%、ヒアリングから提案・見積りに至る「見積率」=80%、提案・見積りから受注に至る「成約率」=30%
前提として、商談期間は1カ月以内、1カ月間の 営業稼働日数は20日間、各プロセスにおける必要訪問回数は1回とする。
問題
Q: 月間目標売上高を達成する為に必要な1週間当たりの初回面談件数を求めよ
Q: 営業担当者一人当りの週の必要労働時間を求めよ。
Q: 改善に取り掛かる優先順位をつけよ。
3-3. 行動管理
Answer
下記の表を参考
この条件だけで改善の方向性を付けることは難しいが、初回面談→ヒアリングが20%と極度に低い。ここは容易に改善できそう。
売上方程式
売上をつくる要素を定量化したもの。行動と係数に分けて考える。
Ex 「既存客継続」「既存客追加」「新規客」
「従来商品」「重点商品」「新商品」
「テレアポ」「訪問」「見積り」「提案」
管理とは行動がなされているかの管理と係数を上げる為の努力
総額目標だけでは、未熟練の営業担当者には不充分
行動の責任は個々の営業担当者が追い、係数の責任は管理職が追う
「形」から入ることを徹底する。
個別の係数を具体的にどう上げるかを考える。
Ex, 初回面談→ヒアリング: リストが不正確、台本の改善、元々関心のある人に来てもらう工夫
提案・見積もり→受注: 競合との差別化、競合動向の調査、提案内容の強化
3-4. 営業プロセスの可視化
営業プロセスの可視化
やるべきことの洗い出し
営業対象のリスト化から受注までの行動
各プロセス毎にゴールを明確に
各プロセスのゴールが最終的に受注になるように
Ex, 情報収集であれば、何を聞ければ良しとするか 見積もり提出であれば、評価まで聞くか、 他社情報の収集までか
重要、困難なプロセスはツール化
話の流れを資料に纏める。
コスト比較、デモ案内、説明会。。。
営業プロセスの進捗管理
計画受注日で絞り込み当月予算を確認
営業担当者には表の更新を徹底させる。
14日以上の間隔が空いている案件は進捗が滞っている。
ただ単に営業担当者が行っていないだけか、それとも何か気掛かりがあり行けていないか。
担当で絞り、当週案件が少ない担当は活動量が不足している。
上記と同様にサボっているのか、他のことで忙しいのか、日報・業務量を確認する。
プロセス間で日数が空いている個所は改善の機会
相対的に常に期間が空きがちなプロセスは何か問題がある可能性がある。
自社にとっての顧客ランクで絞り、高いランクの顧客への活動量を把握
営業担当者が自分が行きやすい顧客にばかり訪問していないか、会社が定めた顧客ランクと訪問量を満たしているかを確認。
3-5. 運用&管理職の育成
管理職に丸投げでは解決しない
管理は管理職の仕事。但し、「今までできなかった原因」をよく考える必要がある。今までできなかったのだから、本質的な原因を潰さないと自律して動けない。
知識不足・能力不足 → 管理職研修
仕組みが無い → 仕組み構築
その他 → ?
経営者の本来の仕事ではないので、管理職が自律的に行えるようにすることが目標
社長が仕組みの導入を決済する
短期的な改善効果の為には上からの指導が効果的。
全体最適の視点が必須
仕組みが動いているかを確認する
管理職が予実差異を把握しているか。
管理職が予実差異に対策を取っているか
最初は月に2回程度。上手く行っているようであれば、月に1回。業績が厳しい際には週に1回。
管理職の育成
管理職の役割
予実差異に対する実効性のある対策を打つ
会社の長期ビジョンに沿って人材育成を行う
責任追及は一切不要。予実差異に対してどうするか、それだけ。
仕組みの運用
売上目標 → 行動目標 → 行動計画
行動 → 行動評価&係数評価 → 対策立案 → 決裁 → 対策実行
4. 営業の仕組み作り
4-1. 営業の類型
顧客ニーズの潜在性による営業の分類
陳列営業
商材を見せて購入を促す。顧客に強い要望がある際に有効。顧客にどう来てもらうか、顧客にどう見せるかが課題。小売業など。
御用聞き営業
顧客に要望が生じる時期をこまめな連絡で把握し、その時機に営業する。顧客との関係をどう築くか、要望が生じる時期をどう把握するかが課題。
提案営業
顧客の要望を把握し、自社商材で提案を行う。顧客の要望をどう掘り起こすか、提案がどう顧客にとって価値となるかが課題。
コンサルティング営業
顧客の要望を把握し、複数の提案を行う。顧客との関係強化、マネタイズが課題。主に複数のソリューションを持つ大企業、人材やシステム開発等そもそも一品モノの商材を扱う企業
顧客が来店 | 顧客へ訪問 | ||
---|---|---|---|
商材 少数 | 商材 多数 | ||
ニーズが顕在 | 陳列営業 | 御用聞き営業 | コンサルティング営業 |
ニーズが潜在 | NA | 提案営業 | ? |
例えばあるECサイトでは
陳列営業: Webサイトに商品の一覧を載せ、検索機能を付ける。
御用聞き営業: 定期的にニュースレターを発行し、リピート購入を促す。
提案営業: 顧客の要望を類型化し、その為の商品紹介ページを作成する。
コンサルティング営業: 顧客の嗜好を集計、分析し、お勧め品を紹介する。
営業の方式は固定的なものではなく、その時と場合によって使い分けることができる。
有りがちな課題
顧客が自社の商材を知らないのに御用聞き営業を続けている
↓継続は取れるが新規が取れない
↓新規顧客や既存顧客への深耕営業の確立、提案力の強化による能動的な営業活動が課題
顧客のニーズを把握しないまま、陳列営業を続けている
↓一方的なPRになっている
↓顧客からの信頼度低下 ・ 低い営業効率が課題
4-2. 提案力強化策
提案営業の流れ
※ 自社商材の説明から入れば売れない
顧客は商材には関心がない。自分がどう変わるか、自分の仕事・生活がどう変わるかに関心がある。 = 顧客の関心事から入らないとうまくいかない
顧客は売り込みを嫌う。自分で選択した結果というのが大事。=まずは聞くことが大事。顧客は自分の関心事について話したがっている。
優秀な営業担当者は「顧客の関心事の把握」と「顧客の具体的な理想像の提示」をうまくやっている。但し、個々の営業担当者の能力開発や知識の共有に期待するのはキケン。=優秀な営業担当者にとって何が良いかを教えるのが難しいから。若手の営業担当者にとって自分に何が必要だかわからないから。
提案型資料作成
顧客の関心事を予め書き出しておく。
営業現場では顧客に選択してもらっても良い。
業種や職種毎に作成し、面談相手に適したものを利用
関心事を解決・達成できた事例を資料に纏める。
事例紹介は商品の紹介ではないことに留意。
事例紹介は納得性が高く、顧客が具体的なイメージを湧かせやすいものとする。顧客にとっては買った後が大切
顧客の変わりたい、変えたいという気持ちを大事にする。
事例内で商材がどういう役割を果たすかをまとめる。
ここは簡単で良い。
差別化の要素を盛り込む。
ここまでは売り込みは一切しない。顧客が具体的なイメージが湧いた段階で、背中を押してあげる。
資料には次の段取りを明記。
内容は一番優秀な営業担当者に聞く。
まず、カタをつくる。カタから入って、精神は後からついてくる。
4-3. 提案力強化策の要点
断られにくい
顧客の関心事から始まるから
事例紹介なので有益であるから
事例紹介を聞くだけので秘密主義を突破できるから
関心事を把握できる
提案営業で一番難しいところ。心を開かせるのは大変。
営業担当者にとっても何を提案すれば良いか分かりやすい
営業担当者が道に迷わない
関係性を構築した上で売り込める
一緒に関心事の一覧を眺めながら議論する → 事例を紹介しながら質問に答える → 売り込みがその後になる。
顧客参加型になっている
事例紹介で顧客がメリットをイメージしやすい
顧客は商材には関心がなく、今後の自分に関心がある
顧客のメリットを営業担当者が全て説明できる
マニュアルではなく、ツールなのでよく使われる
ノウハウの蓄積が簡単
必要な事しかないので、作成の手間が省略できる
仕組みなので誰でもできる
新人営業担当者でもできる。
4-5. 営業計画
訪問先の妥当性を会社が管理
顧客別 ABC分析
営業担当者は行きやすいところに行っている可能性がある
行きやすいところ ≠ 売上が上がるところ
営業担当者の時間配分を管理
顧客別ABC分析
本当に粗利が稼げているのかを厳正にチェック
購買力は自社商品と関連する部署の規模
Ex, 売上高 × 要員数 ÷ 総人員数
顧客別ABC分析は営業目標を策定する際に更新
顧客分類別に働きかけを決める
重点顧客への訪問回数
優良顧客・維持顧客への関係維持方法
その他顧客への電話営業。
顧客の組織を把握する組織図
顧客の決裁者、キーマンを会社として把握する。特に購買力が高い重点顧客に対しては追加受注の可能性がないかを検討する。
思い込みではなく、まず調査が大事
窓口担当者に話を聞き、簡単な組織図を作ってみる
紹介してほしい担当者にありがちな関心事を示し、担当者を紹介してもらう。
紹介してもらった担当者の分野(職種、業務等)を聞いておき、提案の骨子を事前に考えておく
商品の管理
粗利総額の低い商品は、廃番や値上げ、手間が掛からない仕組みの導入を検討。(但し見せ筋商品はこの限りではない)
粗利率が高くBランクの商品は重点商品として、拡販を図る。
粗利率が低くBランクの商品は粗利率を上げる方法がないか検討する。
4-6. 経営Vision & 戦略
3年後、5年後の目標を明確化
社長の頭の中にあるだけでは、多くの社員を動かすことができない。指示待ち社員が増加することになる。
目標はシンプルに。「売上?億」「地域No.1」等
目標は社員の給与上昇を盛り込む。売上が増加して嬉しいのは社長だけ。
目標を明確にし、現状とのギャップから今後何が必要となってくるか、何が足りないかを考える。
戦略
3C(Company, Client, Competitor)分析
競合と顧客の動向を見極め、自社の方向性を決定する
売上方程式を基に数字を変えてみる
数字の変更にはその裏付けとなる施策が必要。
受注能力だけでなく業務遂行能力も勘案する。注文書を貰うだけでなく納品しないと売上にならない。
顧客別で考えてみる
商品別で考えてみる