業界研究: 税理士


税理士業界の現状

企業数は減り続ける中、税理士数は増え続けており、今後、競争の激化が予想される。

企業数&税理士数の推移


  • 税理士数は10年前には 7万人弱であったが、近年は 7万5千人程度となっている。税理士数は10年間で凡そ 10%程度、増えている。

  • 企業数は10年前は420万社であったが、直近では 380万社程度になっている。企業数は 10年間で凡そ 10%程度、減っている。

  • 潜在的な顧問先が減り続ける中で、登録者は増加の一途を辿っており、競争の激化が予想させる。

  • 競争の激化に伴って、顧客数の低下による売上低下、競合数の増加による単価の減少が課題となってくる。

Cloud 会計ソフトは成長を続けており、従来の税理士業務の単純作業の部分は置き換わってくる可能性がある。

Freee利用者数推移
  • ITのビジネスモデル: 複雑な判断が絡まない単純作業を計算機で行い、顧客に対して安価に提供すると共に、多数の顧客を獲得することで開発費を回収する。

  • 事業は、既存の強みが外部環境の変化によって弱みになることで衰退する。

  • 会計事務所の既存の強み: 独占業務(税務代理, 税務書類の作成, 記帳業務, 税務相談)、固定収入、顧客との強い関係性。

  • Cloud会計ソフトにできない、或いは同等のサービスが困難なサービス開発の必要性がある。

長期的な展望を考えた場合、新サービス開発は必須。

  • PLC(Product Life Cycle)理論に依れば、一般的に商品・サービスは導入、成長、成熟、衰退の道を辿る。

  • 業界が成熟期に入っており、今後、衰退を予想する場合には、新しい価値を顧客に提供する必要がある。衰退期に入ってからの新規事業開発は苦しい。

  • 事業として考えた場合、次の収益源を探す必要性があるのではないか。

中小企業診断士との比較

経営に関する資格として中小企業診断士を抽出し、比較を下記の通りまとめた。

税理士・会計士
業務 決算報告・税務申告 収益改善・人間関係の整理
焦点 企業の実績 企業の将来
経営プロセス 決算から後 計画策定・実行支援
顧客数 複数の顧客を掛け持つ 1社に深く入り込む
KFS すべきことを確実にやる 目標を達成する
費用の考え方 作業の代行 改善した収益の一部・安心料
独占業務 あり ほぼ無し
強み 固定収入&顧客との関係性 企業の課題がなくなることがない
弱み 単価の下落圧力に弱い 固定収入がない
課題 独占業務以上の付加価値 固定収入&顧客との接点

More from my site

  • コンサルタントとしての道コンサルタントとしての道 世間では経営者という人達がおり、学者という人達もいる。そして、経営コンサルタントというものも存在している。経営者は実際に経営を行っており、経営の経験に優れる。一方で学者は学問 […]
  • あなたの会社も他人事ではないマクドナルドの状況あなたの会社も他人事ではないマクドナルドの状況 ■ […]
  • 成熟市場での戦略成熟市場での戦略 バブル景気崩壊以降は失われた10年・20年と言われ、経済成長が鈍化している時代と考えることができます。ここでは市場が大きく成長しない「成熟市場」でどのような戦略が可能か、おさらいをしてみます。 環境の変化 事業環境は、市場成長期には市場の成長に合わせて競争上の優位を如何に確立し、競合企業・ライバルに差をつけ、市場シェアを伸ばすことが戦略上の課題でした。一方、市場安 […]
  • 「赤字企業7割」は本当か?「赤字企業7割」は本当か? よく日本の赤字企業は7割/70%と言われます。さすがにそんなに多くないでしょということで調べてみました。 上のグラフは国税庁が発表している会社標本調査という調査の結果です。赤字企業7割はこの数字を根拠に言われていることが多いようです。国税庁の調査なので、区分は利益計上法人=税務上の利益を計上した法人=法人税を払った法人、欠損法人=税務上の損失を計上した法人=法人 […]
  • 戦略フレームワーク戦略フレームワーク 外部環境分析、、競合調査、自社資源把握、実態把握と言った事実の収集を進める中で上がってくる事柄は多岐に渡る。この事柄を整理し戦略を立案する手法として「戦略フレームワーク」という各種の整理法・思考方法が使われることが多い。 Cross SWOT […]
  • 社員のモチベーション向上(3): 労働環境・労働時間の改善社員のモチベーション向上(3): 労働環境・労働時間の改善 ホンネの離職原因で2番目に高いのが労働時間・労働環境への不満であった。 それでは労働時間や労働環境はどう改善すれば良いのだろうか。 ■ […]