経営目標: 財務指標、その他


経営目標は経営Visionを実現するに当たり、その達成度を定量的に評価する指標である。 財務指標が多いが、市場占有率等、必ずしもそれだけではない。 経営目標達成の期間は5年という場合が多い。 これは中期経営計画が5年で作成される場合が多いからであろう。

  • 売上高は全ての企業で最もよく使われる指標で、企業の規模感を表す。顧客に対してどれだけの価値を感じてもらえたかを示す指標。

  • 売上高は企業の規模を表すが、一方、利益率は企業の効率性を表すと考えることができる。利益率が向上することで、株主に対する配当、従業員に対する賞与等、利益配分を改善することができる。利益としては、営業利益、経常利益、当期純利益が使われる場合が多い。営業利益は本業の利益を表し、経常利益は営業利益に対し主に支払利息や雑所得を増減したものであり経常的な事業活動から生まれる利益と考えることができる。

  • 市場占有率

    所謂シェアと言うものである。シェアは厳密には図りにくく、結局、売上高と変わらない場合も多いので、「業界No.1」等、市場における順位を言う場合もある。

  • 平均給与

    上場会社、株式公開会社では利害関係者として一般投資家である株主の存在が大きいが、 中小企業では株主と経営者が同じである場合が多く、逆に一緒に働いている人の比重が大きい。経営目標に従業員に関する指標があると経営者から従業員への気持ちを表現することができる。

収益性指標

  • 総資産利益率(ROA: Return On Asset)

    ROA(%) = ÷ 総資産 × 100
    総資産をどれだけ効率的に運用して利益に結び付けているかを示す。 総資産は企業が調達したお金の全額とそれが今どのような形で存在しているかを集計した金額である。 お金の調達方法は主に株主からの資本金、過去の利益・損失の累計、金融機関からの借り入れ、 買掛債権である。 ROAは株主、金融機関を意識した指標ということができる。

  • 自己資本利益率(ROE: Return On Equity)

    ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
    株主資本(自己資本)をどれだけ効率的に運用して利益に結び付けているかを示す。 主に株主を意識した指標である。

  • EBITDA

    EBITDA = 税引前利益 + 特別損益 + 支払利息 + 減価償却費
    earnings before interest, taxes, depreciation, and amortization
    会計上の利益から特別損益と支払利息、減価償却費を除したもの。 多国籍企業等で各国の税法に依存しない利益を算出した値である。 アメリカの通信事業者・ワールドコムが本来販管費である支出を減価償却費として計算し、 不正にEBITDAを大きく見せたことがあり、課題が指摘されている。

  • EVA(Economy Value Added)

    EVA = NOPAT - 資本コスト
    NOPAT = 税引後営業利益
    資本コスト = 投下資本 × WACC
    投下資本 = 株主資本 + 借入金計 + 少数株主持分
    経済的付加価値。
    簡潔に言うと、株主が期待する配当と金融機関が期待する利子及び税金を営業利益から引いた値で、 これがプラスであれば期待以上の利益が出ていると考えることができる。

安全性指標

  • 自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ 総資本 × 100
    総資本の中に占める自己資本の割合を示す。自己資本は株主からの出資金と損益の累積である利益剰余金から成り立っており、この自己資本(純資産)が大きいほど、金融機関や取引先に依存する割合が低いと考えられる。赤字を続け自己資本を食いつぶすと債務超過の状態になる。

  • 安全余裕率

    安全余裕率 = 100% – ((固定費 ÷ 限界利益率) ÷ 実際売上高)
    売上高減少に対する赤字耐性を表す。 つまりどの程度売り上げが下がっても赤字に転落しないかを指し示す指標である。

  • FCF

    FCF = 当期純利益 + 減価償却費 + その他非現金支出費用 - 資産増加額
    決算期の時点で費用の時間差を考慮して計算する利益に対して、 FCFは会社に実際に残ったお金を意味する。 特に建設業やソフトウェア開発業のように作業が完了し売上が経った後、 入金まで長い業種では利益よりFCFに気を付ける必要がある。

効率性指標

  • 労働生産性

    労働生産性 = 付加価値 ÷ 従業員数
    付加価値 = 売上高 - 外部購入価値
    外部購入価値: 材料費、購入部品費、運送費、外注加工費など
    単純にいうと従業員一人当たりの粗利。 従業員の平均給与は労働生産性×労働分配率で表され、 労働分配率が一定だと仮定すると平均給与を増加させるには、 労働生産性を向上させる以外にはない。 労働分配率の上昇は得られた付加価値の中の人件費の比率を上昇させることを意味し、 企業経営を圧迫する。

金融機関向け

  • 債務償還年数

    債務償還年数=要償還債務÷営業CF
    要償還債務 = 借入金・社債・割賦の未払金-正常運転資金
    正常運転資金 = 営業債権 + 棚卸 - 営業債務
    稼いだキャッシュによって何年で借入金を返済できるか?を計算する指標。 一般的には10年が目安と言われている。




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