売上を増やすには? 一番難しい所ですよね。
市場と商品を考える
まず、アンゾフの成長マトリクスを考えます。 順序としては、市場浸透→製品開発(→他社連携)→市場開拓(販路開拓)→多角化の順に考えます。 これは、成果の出る期間と成功確率に依ります。 市場浸透は今ある顧客に今あるものを多く買ってもらうことですので、 最も短期間に効果が出ます。但し、競争が激しい環境では値下げをしなければならないかもしれません。 そうした場合には利益率を落とすかもしれません。 新製品開発は新しい商品・製品・サービスを作ることですので、 上手く行くかどうかは未知数と言えます。 他社連携は長期的な話ですし、市場開拓はリスクも大きく不確実性が高いので、 経営者以外に判断が難しいところです。
製品 | |||
---|---|---|---|
既存 | 新規 | ||
市場 | 既存 | 市場浸透 | 製品開発 |
新規 | 市場開拓 | 多角化 |
そこで、最初に今ある顧客、今ある商品、今ある売上に増やせる余地はないのかを検討します。
営業力を強化する前に処理能力を考えます。 小売業・サービス業では人手が足らず顧客満足低下が問題になります。 開店時にセールをやって、従業員も不慣れな中、来客数を爆発的に増やし、 結局、固定客数増加、知名度向上にマイナスの影響があったという話をよく聞きます。 これは業務改善の問題になります。
営業力強化では売上方程式を作って、具体的にどの変数を増やすことができるのか、その具体策を考えます。
小売業の売上方程式
例えば、小売店でしたら、
潜在顧客数 × 来店頻度 × 商品単価 × 買上点数
をよく使います。例えば買上点数を増やすのでしたら、 レジ近くに直ぐに手に取れるものを置くとか、セットモノの訴求強化を行います。
潜在顧客数 | 来店頻度 | 商品単価 | 買上点数 |
---|---|---|---|
商圏の見直し 顧客対象の見直し 駐車場完備 商業集積への出店 オンラインショップ |
チラシ・催し物 ロス・リーダー政策 EDLP FSP 品揃え拡充 |
ブランド 品質 機能 トレンド 高級品・特別品 |
ついで買い 売り場改善 品揃え拡充 |
サービス業の売上方程式
サービス業でしたら、
- 新規顧客 × 客単価 + 既存客 × 客単価 × 来店頻度
- 既存客数 = 新規顧客 × 定着率
を考えます。事業上の課題まで落とし込んだ時には、 「Web Siteの改善」「美容室検索Site」「営業時間延長」「紹介客」「お勧め商品」「来店周期短縮」「接客強化」「顧客満足アンケート」位を考えました。
商社・卸売り・B2BのIT等、営業担当者が訪問する形態の売上方程式
営業担当者が営業先を訪問する場合には、
訪問件数 ÷ 受注までの平均訪問回数 × 成約率 × 平均受注金額
を考えます。そうすると必然的に、
- 訪問件数を増やせないか ・・・ 営業担当者が営業以外の業務に忙しいのではないか
- 受注までの平均訪問回数を減らせないか ・・・ 回数が延びる商談の原因は何か
- 成約率を高められないか ・・・ 成約できないのは何が悪いか
- 受注金額を高められないか ・・・ 安い商品ばかり売っていないか
ここまでやってもダメなら、そもそも商品企画に問題があるのかもしれません。 潜在顧客数が充分ではない、値段が高い、商品に差別化要素がない等、 現商品、現顧客でできない何かがあると考えます。 但し、まずは言い訳をしないで、現商品を現顧客に届けることが第1です。
営業は会社毎にあると言われるぐらい様々な形があり、 中々一つの理論で考えるのが難しいこともあります。 しかし、まずは売上方程式を作って、どの変数をどう変えられるかを検討しましょう。