小売業の収益改善


短期施策

小売業はお店があり、お客さんが来てくれ、接客を通じて、ものを買ってくれる業種と考えると、短期的な施策は、店舗と接客の改善、客数や客単価等の係数の改善となる。

まず、店舗は、立地・広さ・売り場作り・価格・品揃え・接客等の要素に分けて考えることができる。立地や広さはテナント契約がある為、直ぐに改善することは難しい。寧ろ、売り場づくり・価格・品揃え・接客の面で抜けている点がないか確認をし、必要であれば改善を行う。売り場づくりや接客の面では店舗チェックリスト等を活用し、まず最低限のことができているかを再確認する。業界が特殊であったとしても、やはり基本ができていなければならない。価格による訴求は顧客にとって分かりやすく、店舗側としても簡単な為、安易に選択されがちであるが、そもそも、なぜ値引きをしないと売れないのか、値引きをしないで売る方法は何かに焦点を当てて考えるべきである。品揃えに関しては、現行の売れ行きを分析した上で、一つ上のランクの商品を売ることができないかを検討する。勿論、売れる商品を仕入れることが重要である。

小売業の多くは立地産業である為、競合店の動向も考えなければならない。その際には先程の立地・広さ・売り場づくり・価格・品揃え・接客等の面から評価をする。先程、述べた通り、立地・広さは変えにくいが、他の要素は変えやすい。競合店に劣る点を価格で訴求しようとしていないか、価格以外で訴求できないか、恒常的な検討が必要である。

又、違った見方として、粗利高=客数×購買率×客単価×粗利率と考え、それぞれの計数に対してどう販促をしていくかを検討する。買上点数がいくつかになる小売業の場合は客単価=×買上点数と考える。まず、来店客を増やす。来店客に対して商品の価値を伝え、買ってもらう。良いものを買ってもらう。利幅を確保する。これらの点で可能な施策を考え、随時、実行していく必要がある。

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