人事制度-給与制度の考え方マトメ


給与の考え方には、職能、職務、役割、業績等、複数の考え方がある。その内容を以下に整理した。一般的には、ある従業員の給与は下記の考え方の複数を選択し、それぞれの給与・手当に比重を掛けて算出される。例えば、営業課長であれば、職能給+営業手当+課長手当+個人業績給という形で給与が構成されることが考えれられる。

名称職能等級制度職務等級制度役割等級制度業績連動制度
給与名
・手当名
職能給・能力手当職務給・職務手当役割給・役職手当個人業績給・個人業績連動賞与
説明

基本的には従業員の能力を評価し、給与とする制度。但し、能力の算定が厳密には難しい場合が多く、その場合は往々にして年功給となりがち。主に集団で業務に当たり、年齢上昇と共に給与が上がるような職種で多く用いられる。例えば大手製造業のライン職等が一般的。

従業員ではなく、仕事を評価し、いくら払うかを決定する制度。欧米ではよく見られる。事前に職務の内容を確定させておく必要がある。職業意識を育てる反面、自分の仕事以外はやらないという意識を産みがち。技術職や専門職に多い。

職責や役割に応じて支払われる給与。管理職等によく使われる。但し、実際にはポジションのない役職を増やしてしまうと、結局、年功制と同じになってしまう傾向がある。

個人の業績に応じて支払われる給与。営業職等、成果が見えやすい職種への適用例が一般的。

適合職種能力伸展に差がある職種

事務職・技術職・製造ライン職
定型職種・オペレータ職

パート・アルバイト等の時間給従業員が担う職種
責任・権限が異なる職種

管理職・専門職
業績格差が見えやすい職種

営業職・管理職
賃金管理昇格昇給
定期昇給
定昇なし昇進による昇給業績連動
評価職能(能力)評価職務評価役割(役職)評価業績評価
目標管理能力開発型行動管理型構造革新型成果追求型
退職金職能ポイント制職務ポイント&勤続ポイント制役職ポイント制業績ポイント制
タイプ期待値主義時価主義時価主義時価主義

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