収益構造とは? 儲かる仕組みの作り方


収益構造≒ビジネスモデル

収益構造ビジネスモデルとも言われる。具体的な儲かる仕組みといってよい。「儲かる」ことを考えると、収入は獲得が問題になる。少し考えた多だけでも、販売、手数料、会費、広告、利用料と収入のカタチは色々と考えられる。例えば、楽天、Amazon、Y!shoppingを考えてみると、楽天は出店者からの初期費用と月額利用料、販売手数料を取っており、Amazonは販売手数料と月額利用料を取っている。これに対して、Y!Shoppingは広告収入を見込み、出店者からの手数料は徴収していないようである。

少数顧客から多額、多数顧客から少額

加えて、収入を得ている先は多数なのか、少数なのかを考えてみる。少数の顧客から大きく取っているのか、多数の顧客から少額を得ているのか。収入源が少数であれば、それだけ当該事業に価値を感じている顧客を探す必要があり、事業を一気に拡大するのは難しいかもしれない。違った見方をすると、営業力が課題ということができる。直感的には高額商品に関しては、商品の価値を伝える営業が大事になってきそうだ。B2B(対企業向け事業)では比較的よく見かける。多数向けの事業では、どのように集客をしていくかが課題となる。広告・宣伝、イベント、口コミなど、何らかの形で集客をしていく必要がある。

選ばれる理由

さて、収入を考える時にはお金を払う存在がある筈である。もう一歩踏み込んで考えてみると、支払側はどんな理由で当該事業者を選択するのだろうか。言い方を変えると、選ばれる理由は何かとなる。商品が良いから、安いから、便利だから、集客力があるから、何らかの理由で当該支出に合理的な理由がなければ、顧客からの継続的な支払いは難しくなる。勿論、B2C(一般消費者向け事業)では狙っていないところで商品が大ヒットし多額の収入を得ることもあります。但し、事業として考えたときに予測できない一過性の売り上げは、事業拡大には貢献しにくい側面がある。予測不可能なので設備投資をしたり、資金調達をしたりするのが難しいからである。

一方で競合度合の低い事業環境もある。我々の中小企業向けコンサルティングも見込み顧客を訪問した際に競合がいることは余りない。但し、顧客に接近するのは難しい。他にも例えば、石焼き芋の移動販売には競合がないと思われる。その分、やはり顧客を探すのが難しい事業と言えるだろう。競合の度合が低い事業においては、商品・サービスの良さをどう伝えるか、顧客をどう探すかが課題となる。広い視点で捉えると、これも「選ばれる理由」と言えるかもしれない。

KFS(Key Factors for Success)

さて、上記の収益構造を実現する為の個別の要素を KFS(Key Factors for Success)という。例えば、広告、立地、商品企画、、製造、物流、システム等、成り立たせる要素として様々なものが考えられる。この中で特に核心的な影響があるものがKFSである。当然、KFSには支出、投資が発生するので、収益構造に大きく影響してくる。支出の発生しない要素は競合に模倣される可能性が高い。前述の楽天、Amazon、Y!shoppingの例で考えてみれば、基本的には場所貸しの事業類型である。従って、集客(広告)、システムはいずれの企業にとってもKFSであろう。Amazonはこれに加えて物流をKFSと捉えているようで、自社物流センターによる「当日配送」に力を入れている。

また、事業によっては仕入れが難しいものもある。例えば、人材関連業では派遣や紹介を希望する人物を探してくる必要がある。顧客のほうは成果報酬での支払いを行うため、就業希望者がいれば、書類選考に応募するのは比較的容易である。他にも小売業では商品の品揃えが重要となり、売れる商品を如何に仕入れるかも大きな課題である。これらの業種では販売先だけではなく、仕入れ元の発掘もKFSと言えるだろう。

支払いサイト

一通り、収益構造の各要素、商品・サービス、、差別化・需要、KFSが明らかになったところで、支払いサイトについて勘案してみる。支払いサイトとは支払いから入金までの期間をいう。当然、長ければ長いほど、資金に余裕が必要となり、資金調達抜きに急拡大は困難となる。支払いサイトは短ければ短いほど良い。単純化して物販を考えてみると、商品企画→原材料調達→製造→物流→販売→入金の流れが考えられる。商品企画から経費が発生しているが、入金は最後となる。この間の経費が運転資金として必要となる。勿論、実際は各事業によって企画から販売の全ての要素を持っている必要はなく、製造→卸→小売のように細分化されている。当然、各事業における支払いサイトは短くなる。

例えば、B2B(企業向け事業)のIT企業では、企画→開発→営業→受注→導入→売上→入金という流れを取ることが多い。企画、開発、仕入れに関しては、販売数量に比例しない為、固定費として考えられる。但し、営業から入金までの期間が長ければ、着手金や中途検収を行うなどの対策が必要となる。でなければ、営業すればするほど資金繰りが厳しくなる。

制約 ボトルネック

今度は、制約=ボトルネックを考えてみる。ボトルネックの概念は、当該事業の急拡大を妨げている原因である。それは、支払いサイトの長い事業においては資金繰りであろうし、B2Cでは集客であるかもしれない。何かが解消することで急拡大が望めるのであれば、課題を回避する方法を探すことが考えられる。

これらの会計的な要素を事業ごとに見やすくまとめたのが管理会計である。管理会計に関してはページを改めて説明する。



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