経営戦略: 策定の仕方


前の記事で VISIONについて書きましたので、今日は戦略をテーマにしてみたいと思います。

そもそも、戦略とは、経営理念を実践し、経営 VISION を実現していく方法の選択であると言えます。 昨日と同じ例えを用い、キャラバンを率いて山の頂上に登ることに例えると、 山の頂上が VISION であり、ルートと日程の計画が経営計画、ルートの選択が戦略であると言えます。 当然、リスクが少なく、自分のキャラバンにとって無理がなく、短期間で頂上に到達できるものが良いですよね。

実際の策定はまず「貸出審査」を 読むところから始めます。 貸出審査事典は、各業種毎の業界動向がまとめて記述されています。 勿論、経営者の皆さんは既にご存じの内容かと存じますが、 基礎知識として目を通しておいて損はないかと思います。

業種特性の例

業界動向の中で特に大切なのは市場の成長性です。 市場が伸びている際には参入や事業の存続が比較的容易です。 その場合には市場の成長が止まった時に何が起きるか、自社は何をしておけば良いかを中心に考えます。 市場の成長が止まっている際には競争激化で新規顧客獲得が高費用になります。 つまり宣伝・広告を積極的に打たないと新しいお客さんに来てもらえません。 今ある顧客に対してどうサービスしていくかや、顧客との関係強化と言った顧客囲い込みが焦点になります。

経営者であればご商売のことはご存知かと思いますが、 コンサルティングの際には成功要因(KFS: Key Factor for Success)を必ず掴みます。 つまり事業を行うに当たり、難しい点や重要な点を理解しておきます。 上の例は駐車場業ですが、特に駐車場用地の確保と満車にする為のノウハウが重要になります。 人材紹介業であれば、人材の紹介先よりも人材の獲得の方が難しいと言われているようです。

一般消費者向け事業等で立地産業の場合には、その土地の人口動態を調べておきます。 少子高齢化と言われておりますが、現実を見ると驚きます。

人口動態の例

業種特性を掴んだら、次は業界の大手企業の動向を掴みます。 所謂、競合分析というものです。 大手企業は公開会社であることが多いですので、 株主総会の資料を中心に当たり、動向を掴みます。 最近はIR資料という名目で公開企業は株主総会の資料がWeb Siteで公開されています。 ここに詳しく実績と今後の展望について記載がある筈ですので、必ず押さえます。 大手企業の今後の展望の中には先に述べた成功要因(KFS)に対する施策が必ず記載されている筈です。 自分の思うKFSが大企業の資料中に記載がなければ、もしかしたら見当違いに陥っている可能性があります。

競合調査

立地産業の場合には周辺店の競合調査を行います。 最近は Google Map で店舗の外装を調べることができるようになりました。 又、各種専門サイトでサービスの概要を知ることもできます。 ハッキリ言って納得できるまで調べます。

ここまでくれば、大まかに戦略も見えてくるのではないでしょうか。 マクロ環境動向、、競合動向が見えてきたところで、 戦略を検討します。 基本的には以下の点を押さえます。

  1. ストック型の収益構造にならないか。

    定期的にお金が入ってくる仕組み(ビジネスモデル)を考えます。

  2. 顧客との関係強化はできないか。

    顧客に対して他にサービスできることを考えます。 併せて、顧客に対する働きかけを強化することを考えます。

  3. 上流・下流の進出はできないか。

    SCMモデル等で仕入れ元、販売先の動向を押さえ、進出の可能性を探ります。

  4. 利用できるもの、売り手・買い手・同業他社・異業種はないか。

    身近にあって利用できそうなもの、Win-Winの関係を築ける提携先はないか考えます。

  5. 手間が掛かることをやって、大手の進出できない分野に進出できないか。

    大手企業は資本を投下して設備やシステムを導入してきます。 それができないような人手が掛かることを探します。

こんな感じで考えます。 経営戦略策定の仕方を分かりやすく説明できたでしょうか。

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