成果が出る営業プロセスのフロー・マネジメント方法


営業力強化はフローを管理するところから始まる。この記事を読んでいる読者の方もご存じの通り、結果は管理できず、行動を管理する必要がある。営業部長が精神論で結果を出すように口酸っぱく言ったとしても、営業部員の行動が変わらないと結果には繋がらない。

行動を管理し、改善して行く為には、営業プロセスのフローを明確に定義し、結果を把握しながら、それぞれのプロセスにおける行動を管理・改善していく必要がある。

勿論、営業担当者の能力によっても、どこまで行動管理をするかは異なるであろう。結果が出ており、どうすれば結果が出るか分かっている営業担当者は細かく行動を管理されることを嫌う傾向がある。結果が出ているのであれば、管理の必要性は比較的低い。以下の例は、結果になかなか結び付いていない若手の営業担当者を想定している。

例:
  • A社は、営業部員8名、月間目標受注額=5000万円、平均受注単価=200万円の会社

  • A社の営業プロセスを簡単にいうと、(1) 初回訪問(1.5時間)→ (2) ヒアリング(2時間) → (3) 提案・見積り(2時間) → (4) 受注(1時間) 、という4回の訪問となる。これが営業プロセス流れ(フロー)となる。

  • 初回訪問からヒアリングに至る「案件化率」=20%、ヒアリングから提案・見積りに至る「見積率」=80%、提案・見積りから受注に至る「成約率」=30%

  • 前提として、商談期間は1カ月以内、1カ月間の 営業稼働日数は20日間、各プロセスにおける必要訪問回数は1回とする。

問題
  • Q: 月間目標売上高を達成する為に必要な1週間当たりの初回訪問件数を求めよ

  • Q: 営業担当者一人当りの週の必要労働時間を求めよ。

  • Q: 改善に取り掛かる優先順位をつけよ。

営業プロセスのフロー 答え

営業プロセスのフロー
  • 受注額5000万円に対して、受注単価が200万円なので、5000÷200で25件の受注が必要である。

  • 25件の受注を達成する為には、25件÷成約率30%で約83件の提案・見積もりを行う。

  • 84件の提案・見積もりの為には、84件÷見積り率80%で約104件のヒアリング、105件のヒアリングの為には、105件÷案件化率20%で521件の初回訪問が必要と計算される。

  • 総労働時間は、受注25件×1時間、提案・見積もり83件×2時間、ヒアリング104件×2時間、初回訪問521件×1.5時間、合計で1181時間。これを営業部員8人で分担すると、1181時間÷8人で一人当り148時間。4週間あるとすると148時間÷4週間で約37時間となる。

  • この情報だけでは改善の優先順位は明確には分からない。ただ、初回面談からヒアリングに進む案件化率が低く、初回面談を行う対象選定の効率化を行い、確度の低い先には最初から行かないようにする工夫が考えられる。

営業プロセスマネジメント

ここまで単純化できれば、後は営業部員が計画した件数をこなしているか、確度と受注単価は下がっていないか、 という営業プロセスフロー・マネジメントは比較的簡単である。 計画を達成できていない箇所は達成できない原因があると思われ、これを早期に取り除くことが必要となる。

営業プロセス改善

営業プロセスの改善に当っては管理職が前から気になっていた箇所に手を付ける遣り方もある。 一方で製造業のプロセス改善にはECRSの原則というものがある。 これを利用し、フローの改善策の検討に当っても良いだろう。

  • 【排除/無くせないか?】:Eliminate
    業務の目的をもう一度見直し、その業務は無くせないかを考える。

  • 【結合/一緒にできないか?】:Combine
    業務をまとめて一緒に処理することで、かかる時間を短くできないかを考える。

  • 【交換/順序の変更はできないか?】:Rearrange
    仕事や作業の順序を入れ替えることで、効率的にならないかを考える。

  • 【簡素化/単純化できないか?】:Simplify
    もっと省略したやり方で、同じ結果を生み出せないかを考える。

読者の皆さんの直観とも変わらないと思うが、必要のないことはやめてしまうのが一番である。 お客様の心を動かす為の業務、顧客満足に繋がる業務以外の業務は本質的にオーバーヘッドであり、 短ければ短いに越したことはない。

より詳しい内容は・・・
売上直結! 社長が始める営業革命~営業力強化プログラム
環境変化が速い中で、経験や勘に頼らない客観的で合理的な営業管理(マネジメント)が必要とされている。本プログラムは営業力強化策、営業力強化の方法として、標準化と可視化(見える化)を合言葉に、行動、確度、受注単価の3つに分け、それぞれの数値を改善していく具体的な方法を実行する。