2. 営業の活動量を高める-売上直結! 社長が始める営業革命 ~営業力強化プログラム~


2. 営業の活動量を高める

2-1. 営業活動量の可視化

経営者を含め会社全体の認識を変える
  • 業務は実際のお金と同じ。経費は無駄遣いするなと言っているが、営業担当者が伝票を書いているのはO.Kか? 直接部門のムダは経費が掛かる上に売上も下げる為、間接部門に比べて2倍のロスとなる。

  • 会社の仕事は、売り上げをつくる(受注&サービス)、改善(経費削減・効率化、粗利率向上)、リスク回避のいずれか。それ以外は原則として不要。不要な業務をなくすことが最速で効果が出る。

  • 「自分が楽したい」と取られがちな為、部下から上司に不要な業務は言いにくい → 結果として不要な業務が増える()。特にリスクに対してどの程度の対策が必要か判断できるのは経営者のみ。従ってリスク回避に関する業務の要不要は経営者が言う必要がある。

  • 他部署へは頼みにくい。→ 経営者の指導力が必要。業務改善は一旦、バックオフィスで引き受けて、進めていった方が良い。多くの営業担当者は顧客心理の把握にたけているが、計数管理や業務改善には疎い。

実態把握・業務棚卸しを行う。
  • 思い込みや勘に頼らず、改善を行うことが重要。経営者や管理職の勘に頼らず、誰にでも分かる管理であれば、仕事を他の人間が担うことができ、経営者や管理職が本来すべき仕事に注力できる。

  • 客観的指標なので、営業担当者、他部署の社員の理解を得やすくなる。新任の管理職や役員等、社内でのリーダーシップに揺らぎがあったとしても、客観的指標であれば、メンバーの理解を得られる。

  • 業務棚卸しの例は右の表を参考。

業務棚卸の例
アポ 新規
既存
訪問 御用聞き  
提案
  クロージング  
納品
   
社内業務 受注関連 見積もり作成
    提案書作成
  業務処理 伝票整理
納品手配
    受注処理
  その他 会議
    管理資料作成
日報を取る
  • 最初は重点的にとる。慣れてきたら簡略化したもの。日報は基本的に管理の為のオーバーヘッド。少ない手間で把握できた方が良い。

  • ECRS. 最初は要らない業務を経営者が決定。これが最短で営業の活動量を増やす方法。

  • 他部門との境界線上の仕事は、バックオフィスが一旦引き受ける。

  • 時間が掛かっているモノから着手

優秀者の活動量を基本に目標設定
  • 設定された活動量に届いているか、最初は1週間に一度確認。慣れてきたら間隔を長くする。

  • 目標未達成部署、未達成担当者へヒアリング。できない理由をつぶし、できる方法を考えさせる。

2-2. 営業業務改善例

まずは実態を把握する。
  • 思い込みを排し、何にどれぐらいかけているのかを把握する。

  • 仕組みの構築や顧客接点の改善よりも、行動量を変えることは効果が速く出る。

  • 日報に業務量を記載させる。特に「その他」を作っておくと、「その他」が意外に多いかが分かる。即ち会社が把握していない業務が多いということを意味する。

下記はある会社で営業担当者の業務時間を集計したもの
ある営業担当者の業務比率
改善の方向性
  • 基本的に営業の役割は、顧客心理の管理と案件の進捗管理である。これ以外のことを営業に行わせる場合、売上が下がる。

  • 商談 ・・・ 一般的に商談の時間は減らせないが、移動に時間が掛かっているのであれば、中間地点で会う、可能な範囲で電話で要件を済ませられないか等を考える。

  • 処理・報告 ・・・ 本当に必要なのかを基に検討する。廃止又は他部署への移転を前提に検討する。報告は必要最小限とする。報告を受けた管理職がこれを見て何をするのか尋ねてみて、何もしないのだったら不要とみなす。他部署へ移転したものは時間が掛かるものから業務改善やシステム化を行う。

  • 会議 ・・・ 社内でのコミュニケーションは必要だが、20%であれば週5日勤務として1日はまるまる会議に使っている計算である。必要なものだけ残す。

  • 調整・その他 ・・・ 実態が不明であり、改善の余地が大きい。その他は、一回当たりの時間はあまり掛からないが頻度が高い業務が入っている可能性がある。

  • 当然だが、時間がより多く費やされている業務の方が改善の効果は大きい。

参考: 製造業の稼働率の考え方
区分 詳細区分 内容
主体作業   ある作業に課せられた本来の目的作業
付帯作業   準備・段取り・運搬
余裕 管理余裕 設備の調整・修理等、不規則・偶発的に発生する非生産時間 。 伝票記入や運搬等、本来の作業とは無関係に発生する作業
  人的余裕 人間の生理的欲求により必要となる時間。作業者の疲労回復のための時間。

※主体作業と付帯作業が稼働である。

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3.営業マネジメント強化
営業マネジメントは、まず営業プロセスを定義し、行動量×確度×受注単価という売上方程式を作り、それぞれの変数をどう改善していくかを検討する。又、各プロセスの所要時間を短縮できないかを併せて検討する。実際の管理では案件進捗管理表を利用する。




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